ゴム製フレキシブル継手

技術情報

取扱説明書 ゴム製フレキシブル継手

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
このたびは当社ゴム製フレキシブル継手(以下製品)をご購入いただきまして、誠にありがとうございます。
お求めの製品を正しく安全にご利用いただくため、ご使用前に、必ずこの取扱説明書をお読みいただきますようお願いいたします。


当説明書は下記製品の共通取扱説明書です。ご購入の製品をご確認ください。
■BFコネクタ(日本水道協会認証登録品 G-471)
■タフボーイ
■タフボーイ(日本水道協会認証登録品 G-743)
■キングフレックス 20
□ピュアジョイント(日本水道協会認証登録品 G-320)
■TOUGHLEX
□PTコネクタ
□PTコネクタS
□トーゼンフレックス
□トーゼンフレックスS
□ライナーフレックス
□エルボフレックス
□フレキシドレイン
□LRコネクタ


この取扱説明書は工事完了後、保守点検管理ご担当者に必ずお渡しください。
なお、当社製品に関するお取扱い上のご質問・ご相談などがございましたら、最寄りの事業所までお問合わせください。
◇当取扱説明書は、予告なく内容を変更することがありますので、あらかじめご了承ください。


株式会社 TOZEN

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
製品は下記の用途には使用できませんのでご注意ください。
これらの事項が守られず、製品に異常を来たし事故などが発生した場合、その責を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

  • 1:油用には使用禁止
       製品は油用にはご使用になれません。
  • 2:給湯ラインには使用禁止
       製品は給湯ラインにはご使用になれません。当社フッ素樹脂製フレキシブル継手をご使用ください。
  • 3:プール水用には使用禁止
       製品はプール水循環ポンプ廻りにはご使用になれません。当社フッ素樹脂製フレキシブル継手をご使用ください。
    その他のプール水や温泉水ラインについては、ご相談ください。
  • 4: 増圧給水、加圧給水ユニット等のラインには使用禁止
       上記■以外の製品は圧力変動の繰返しが頻繁に発生する箇所に使用しないでください。
  • 5: PTコネクタ・PTコネクタSは飲料水にはご使用になれません。

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
  • 1:ご使用前に製品の損傷の有無をご確認ください。
    特にパッキン面、ゴム本体内外面などに損傷がある場合は使用しないでください。
  • 2:使用範囲について
    現場の最高使用圧力・最高使用温度が各製品の使用範囲内であることを確認の上ご使用ください。
    使用範囲外での使用は製品の寿命を著しく短くし流体の漏れなど不具合の原因となります。
  • 3:複合変位量の補正について
    各製品の許容変位量は単独変位の最大値を示します。従って変位が複合する場合は次の式で補正してください。
    補正伸び量=許容伸び量× { 1-( 偏心/許容偏心 + 偏角/許容偏角 )}
    (例)PTコネクタ100Aで偏心10mm必要な場合の補正許容伸び量
    補正伸び量=15× { 1-( 10/25 + 0/30 ) } = 9.0mm
  • 4:製品は、締切運転などの誤動作によって破損する恐れがありますので運転時には必ずバルブの開閉をご確認ください。
  • 5:流体を急激に流すようなバルブ操作はしないように充分ご注意ください。
  • 6:製品は管内流速 3 m / s以下でのご使用をお薦めします。
  • 7:油脂・有機溶剤(シンナー・トルエンなど)・酸・アルカリなどが付着しないように注意してください。
    万一、付着した場合は速やかに拭取ってください。
  • 8:配管ラインの耐圧試験をエアーで行う場合には、継手を外してから行ってください。
    また、継手を取付けた状態での試験は、エアー加圧ではなく、液体加圧にて行ってください。
  • 9:製品の使用範囲・許容変位量などについては、当社製品カタログを参照ください。

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

1:運搬中・保管中、製品に損傷を与えないよう充分にご注意ください。また、損傷などがある場合は使用しないでください。
2:長期間保管する場合、冷暗所に保管し直射日光を避けてください。
3:温度 40℃以上および過度の湿度、水分のある場所に長時間放置しないでください。
4:製品に火気が当たらぬよう充分にご注意ください。
5:製品に荷重をかけないようご注意ください。

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

1:製品をポンプに取付ける位置は下図をご参照ください。特に製品の上流側(手前)に逆止め弁を取付けると、
常に水頭圧力による疲労の蓄積とポンプの起動・停止による水撃などが不具合発生を引起こす危険性があります。
また、仕切弁(バタフライバルブ)に直接製品を配管すると、パッキン面が破損する恐れがありますので、
短管を介して施工することをお薦めします。
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
2:製品は、縮み・伸び・偏角・偏心など取付時寸法許容値内に納まるよう施工してください。
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
3:製品が変位した時、周囲の構造物や機器(特に鋭利な角)が製品に触れないようにお取付けください。
4:製品を配管に接続する際は、無用な外力(圧縮・引張り・ねじりなど)が加わらないよう
寸法および心出しを正確に行ってください。
5:取付け後、その付近で溶接・溶断を行う場合は、製品に火花が掛からないよう保護用カバーなどを被せてください。
また溶接・溶断の熱が伝わる恐れのある場合には、製品をはずすなどの処置をしてください。
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
6:屋外配管による外ゴムの変色について品質、性能上に問題はありませんが、外観を考慮される場合は
ラギング等の取付けをお薦めします。
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
7:フランジはルーズとなっておりますので取付ボルト穴がズレている場合、製品本体を取り付ける前に
ボルト穴の芯合せをお願いします。

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
フランジ接続の場合

1:ゴム製フレキシブル継手は、相手側フランジの形状によってゴム本体のパッキンシール面が損傷する恐れがあります。
下表を参考にフランジの形状をご確認ください。

突合せ溶接式フランジ 全面座フランジ はめ込み形フランジ
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
問題ありません バリを除去してください 使用できません
ゴム本体の内径と相フランジの内径が同じ位なのでパッキン部を押さえる力が充分にあります。 溶接のバリによりパッキンシール面を傷付ける恐れがあります。バリはヤスリまたはサンドペーパーなどで取除き、必要に応じゴム以外のパッキンを併用してください。 突起部とゴム本体のパッキンシール面との接触面が少なく単位面積荷重が大きくなりパッキンシール面が損傷します。

 


2:取付ボルトは、製品側から差込み、ナットは相手側で締付けてください。また、弛み防止のために、ばね座金(スプリングワッシャ)
を推奨します。尚、製品側からの差込み不可の場合、全ねじボルトやボルトを配管側から差込んでください。
なお、ボルトの先端が製品側に極端に突出しないようご注意ください。
3:取付ボルトの締付けは、対角線に均等に締付けてください。各製品の締付量は次項の締代残をご参照ください。
相手側がラップ配管やライニング管の場合、締代残が異なりますので座厚を考慮してください。
また、片締めなど異常な取付けは、製品を傷付け不具合の要因となります。
4:取付稼働後、ポンプの振動によって取付ボルトに時として弛みが発生することがあります。
水抜き実施後、均等に増締めしてください。
5:取付けの際には、フレキフランジの凹み部(溝部)とゴム本体パッキン部が正常にセットされている状態であるかご確認ください。

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
S 締代残(mm)
呼び径 ●ライナーフレックス(A タイプ)
●タフボーイ
●キングフレックス20 ●TOUGHLEX ●PTコネクタ
●トーゼンフレックス
●エルボフレックス(A タイプ)
●エルボフレックス(B・C タイプ)
●ライナーフレックス(C タイプ)
●ピュアジョイント
●BFコネクタ(100A迄)
20A・25A 1 1 1 1
32A ~ 80A 1 4 1 1 ~ 2 1
100A 1 4 1 1 ~ 2 8.5 1
125A 1 4 1 1 ~ 2 8.5 1 ~ 2
150A 1 4 1 1 ~ 2 13 1 ~ 2
200A 1 4 1.5 2 ~ 3 13 13
250A ~ 300A 1 2 2 2 ~ 3 13
350A ~ 450A 4 13

 

※相手フランジが FF の場合
6:取付けボルト寸法表

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

ねじ込み接続の場合


1) 取付ボルトをはずし、本体からフランジ A・ソケットをばらしてください。

2) 相手配管にフランジ A を通してください。その際、向きをご確認ください。

3) 配管側パイプねじが損傷なく滑らかであることを確認してください。

4) 配管側パイプのねじにシールテープ(またはシール剤)を巻き、ソケットを手締めできる山数まで締め、ソケットの平径にスパナ(またはレンチ)をかけ配管側パイプにもレンチをかけ充分に締付けてください。

5) 右図4の要領で取付てください。

6) 取付ボルトの締付けは、片締めを避け均等に締付け、締付け量は右図5)の締代残をご参照ください。

7) 反対側も(2)~(6)の要領で施工してください。

8) 取付稼働後、ポンプの振動によって取付ボルトに時として弛みが生じることがあります。その際は、水抜き実施後、均等に増締
めしてください。


ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書
製造年月の表示は、本体ゴム部に右図のように表示されています。
(例)2013 年 5 月製造の場合
ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

ゴム製フレキシブル継手は、ゴムと補強層からなる複合弾性体で、永久的なものではなく寿命のあるものです。
製品の寿命は、さまざまな要因によって大きく左右されます。
詳細は「TOZEN HP」をご参照ください。

 

ゴム製フレキシブル継手の取扱説明書

ゴム製フレキシブル継手は、使用状況により耐用年数が異なります。
耐用年数を過ぎると流体が漏れるなど、不具合が発生する可能性が高まります。
それら製品の不具合、設置状態の異常などの早期発見のため、保守点検を実施するようお願いいたします。

1) 点検の種別と実施時期

a. 竣工時点検 —– 竣工時 —– 使用条件が守られ正しく施工されているかを確認してください。

b. 通常点検 —– 年 2 回以上 —– 異常の早期発見と事故の防止を図るために、製品やその使用状況および設置状況を確認してください。
c. 定期点検 —– 竣工後 5 年毎 —– 通常点検に比べ、より詳細に異常の有無を確認してください。
d. 臨時点検 —– 災害直後 —– きな地震や火災および浸水などの災害を受けた直後、速やかに製品への影響の有無を確認してください。必要に応じてサンプリングを実施してください。

2) 点検項目

点検種別 点検箇所 点検項目 点検方法

a. 竣工時点検

b. 通常点検

c. 定期点検

d. 臨時点検


接合部

1. ボルト・ナットの弛みはないか

2. パッキン部からの漏れはないか


接 触

目 視


本体外面

1. 外面ゴムに傷・亀裂などが生じてないか

2. 一部に異様な膨らみがないか

3. 外面ゴムにボルト・ナットの頭が接触または、喰込んだ跡はないか

4. 変位量が製品許容値を超えていないか(a、c、d のみ)


目 視

接 触

目 視

計 測


3) 異常現象とその対策  各点検において異常が認められた場合は、下表を参考に処置対策を行ってください。

該当部 異常現象 原 因 対 策 処 置

接合部

パッキン面から漏れがある

1)許容変位量を越えている

2)許容圧力を越えている

3)異常な圧力変動がある

4)固定の不備・破損

5)ボルト・ナットの弛み


1)配管修正

2)許容圧力以下にする

3)圧力変動を少なくする

4)固定をやり直す

5)水抜き後、増締めする


漏れが止まらない時は、交換する

フランジパッキン面に異常が生じているものは交換する


本体外面

本体部から漏れている


破損



交換する


外面ゴムに傷・亀裂などが生じている


外的要因


補強層まで達していない場合は、経過観察


補強層まで達している場合は、交換する


一部に異様な膨らみがある


外面ゴムと補強層の間に流体が侵入



交換する


作動時に異常変形を生じ、ボルト・ナットの頭が外面ゴムに接触または喰込んだ跡がある


1)許容変位量を越えている

2)異常圧力が生じている

3)補強層の疲労


1)配管修正

2)許容圧力以下にする


異常に変形した場合は、交換する


本体内面


内面ゴムに傷・亀裂、などが生じている


ゴムが劣化して硬くなっている



交換する

内面ゴムに異常な摩耗が生じている


流体によるエロージョン


内面ゴムに局部的な膨らみがある


ゴムが膨潤している

コーポレート・ガバナンス